それはそれは昔のこと。
ずっと疑問だったことがある。
「自分のダメな部分ではなく、良い部分を見つけなさい。そうでないと成功しませんよ」
と、よく自己啓発系の本に書いてあった。
「なんで? 自分はダメだと思うから努力するんじゃないの? どうして自分の良いところを見ないとダメなの?」
と本気で思った。
そんなことを言っているセミナーにも参加した。
「ホントに教えてください」と質問してみたけど、あまり納得する答えは返ってこなかった。
だがその後、ちゃんと自分なりに腹落ちさせることができた。
そこで、その「腹落ちした内容の言語化」に挑戦する。
それは、なんでもダメ出ししてくる人・上司などに出会ってわかったことだった。
また、始終子どもの「悪いところ」しか見ていない親がいる。
そういう人を見ていて分かったことだ。
やっぱり人って、自分以外の他人がいて、はじめて自分のことに気づけるものだ。
そして、自分も他人も「同一人物」という仏教での言い伝えも腑に落ちたのだ。
人の良くない部分を見つける天才は、たいてい「自分のこと」について言っている。「あの人はね……」と他人のことを語っているようで、じつは自分について語っているのだ。
自分の中にないものは、言語化することができないからだ。
もちろん例外はあるだろうが、多くは他人を客観的にとらえ、評価しているわけではない。
単に、自分自身に言っている言葉を、他者のなかに見つけているにすぎない。
自分の中にないものは、他者の中にも見つけられないのだ。
よくよく観察していれば、他人の悪いところを見つける天才は、自信がないことに気づく。
これも誰だって、自信がある部分とない部分の、両方を持ち合わせているのだが、「脆く儚いほど自信がない」のは、攻撃的な人、悪口の多い人なのだ。
攻撃も、悪口も、つねに自分自身に対して行っている。
それを隠すように、他者を攻撃することで、自分の身を守っている。
そして多くの場合、人から攻撃されないように、文句を言われないように、完璧を求めている。
自ら進んで、他人の分まで仕事をしたりする。
自分への攻撃をやめれば、他人への攻撃もなくなるはずだ。
見つけようがないからだ。
「自分の良いところを見つめないと、成功できませんよ」と言うところの意味は、そういうことにある。
自分や他者を攻撃したまま、多くの人から「共感」や「賛同」を得るのは難しいだろう。
成功には、どうしたって人脈やコミュニケーションが必要だ。
自分自身や他人を攻撃している人をみて、よろしくは思わないのが人間だ。
不快、疎ましい、陰鬱な人間からは、遠ざかりたい。
他者の悪口を言っている人は、たいてい「自分」のことも影で言っているのだろうと想像がつく。
人は「感情」で動く生き物。
やはり誰だって、悪口を叩かれれば不快になるというものだ。
その人を好ましく思えなくなる。
同じように、他人の良い部分を見つけられる人は、自分の中にも同じ要素がある。
自分が、好きだと思う人、人格者だと思う人間、素敵だなあと思う「推し」、憧れの人、なんでもいい。
そう感じるとしたら、それは自分の中にもある「要素」なのだ。
他者に感じる魅力は、自分の魅力でもある。
「そんなこと全然あるわけない」
と思ったとしたって、そうなのだ。
自分のなかに、そもそも無いものは、見つけようがないのだ。
今はまだ「因子」として、くすぶっているだけだ。
同様に、この「因子」は「お金」に関しても言える。
「金持ちの因子」がない人間は、どう転んでも金持ちにはなれない。
「あの人は何故、金持ちなのか?」
を見つけることができたとしたら、それは「因子」があるということだ。
「見つけられない」
「金持ちはいいことをしているわけない」
と思っているうちは、金持ちにはなれない。
「二世」とか「地主」とか、生まれつき金持ちの家で育った人をみると、たまに「嫌な人物」もいる。
まあ、そういう「嫌な態度」はなぜするかと考えると、全員が金持ちにならないように教育しているんだな。
「金持ちは、嫌な人間なんだよー」
「金持つと、傲慢になるよー」
と、身をもって発信してくれている。
みんな金持ちになると、自分は金持ちでいられなくなると考えるからね。
だから、そんな「嘘っぱち」の教育には目もくれず、自分のなかの「金持ち因子」を探していくのだ!
金持ちって、税金いっぱい払ってくれているし、努力だってしているし、やっぱり「だてに金持ち」やってるわけじゃない。
尊敬しろとは言わないが、それでもやはり
「寝て、食って、遊んでいる」だけではないのは確かだ。
もちろん、いつも言うように
「寝て、食って、遊んでいる」だけでも、人は誰かの役にたっている。
そこを、「そもそも役に立っている自分」を基準にして、「さらに役にたてる自分」を見つけるのだ。
その先に、「金持ち」とか「成功」がある。
そう考えたら、「そもそも役にたっている自分」だけだっていいんだよ。
それ以上、努力や身を削ることが必ずしも「えらい」わけじゃない。
世の中、「金持ちにならないとダメだ」とか「成功するべきだ」とか言う人が多いから、なんか努力してないと馬鹿になった気になるけど、そうじゃない。
何を選ぶかだ。
金持ちや成功を求めるなら「覚悟」をする。
でも、覚悟ができないなら、それはそれでいいんだよ。
もともと持っている「幸せ」だけで「幸福」になっている人もたくさんいる。
要は、その「幸せ」をどれだけ見つけられるか。
大切なのは、「自分は世間でいう成功を求めない」と決めたら、もうグズグズ言わない。
覚悟もできず、どちらか選ぶこともできず、すでにある幸せを見つけることもできないでいると……。
はじめの「人の良くない部分を見つける天才」になるのだ。
グズグズ言ってるだけで終わりになる。
って……、これも自分に言ってることだからね(汗)
自分の中の「因子」を見つけに行こう!
そんな私の中にある魅力。
私は誰に憧れているかって?
「サードマン(私のなかでは『ハッカーさん』と呼んでいる)」
おいっ、大丈夫か?!
※サードマンとは
道を示してくれる存在のこと。宇宙の声。
心理学や脳科学的には、死と隣り合わせのような極限状態の
とき、そこに別の人物がいるように思わせる電気信号のこと
をいうらしいが。
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